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【無料☆】五稜日奈子のお仕事関連ファイル01_生霊女と災難イケメン

生霊(いき₌りょう) 強い憧れや執着が霊体となって相手に向かって放たれ、取りつく現象。 生者の霊が他の生者に対して影響を及ぼすことは珍しいことではなく影響の大小はあれどそこそこ日常的なものといえる。 放たれた「霊」は本人の意思とは関係のないラインで行動し多くの場合は対象にとって危害となる霊障を引き起こす。 呪いとは違い、当人は何ら危害を加えようとは思っていないうえに無自覚であることから対象に対する霊障は延々と続きがちで、心身の不調や運勢の下落などを呼び込む。 今回のケース:依頼者門倉某は、ある朝通勤途中においてパスケースと思しきものを拾得する。忙しいところではあったが、落とし主も困っているだろうと考え交番へと足を運ぶ。 ちょうど交番の前へ着いた時、女性から声を掛けられる。 その手に持っているパスケースの持ち主であるというので、交番で雑多な手続きを踏まなくてはならないと思っていた門倉はこれ幸いと笑顔でそれを手渡した。 女性は何度も感謝を述べ、名前と連絡先を聞いてきたが礼は不要と名字だけ告げてその場を後にする。 ─その日からである─ その女が身の回りをウロチョロし始めるのは。 最初はこんな偶然もあるのかと驚いていたが、何かと偶然を装って何度も何度も目の前に現れる女に対して門倉は気味悪さを覚えるようになっていったという。 日奈子は思った。 最初のうちの、こんな偶然あるんやのうちに会う必然性を持たせれば何か変わったかもしれないのにと。 誘え。約束を取り付けろ。 女の方から積極的に動いても許される世の中だろうに。 その勇気もなく、あくまで受け身でいた。相手任せ。気がないのはどこかで感じていただろうに。そのくせあきらめきれずにしつこく姿を現したことが流れを淀ませてしまったのだ。 門倉は所謂イケメンであり、女に不自由していないタイプ。最近恋人と死に別れたばかりという特大の心の穴が生霊を引き付けたのだろう。 意識的に女性を遠ざけていたのも生霊にとっては格好のエサである。 磁力のような性質、陰と陽に表されるその性質はキライはスキの裏返しだし、イヤだ避けようと思えば思うほど生霊の負の性質を引き寄せてしまうのである。 そうして霊障は大きくなっていく。 当時はストーカー事案として警察の介入もあり、「本人の」干渉は排除されたのだが、積もり積もった情念は姿を成しついにはだれもいない空間から声をかけ、タワマンの上階にある門倉の部屋の窓から覗き込むなど、生者には到底不可能な芸当が行われるようになる。 これは警察では対処できないと感じた依頼者は元カノの紹介で五稜お祓い事務所に依頼を持ち掛けたという。 五稜お祓い事務所 新興の事務所であるが術師の年齢は若く、とくにオカルト好きな女子高大生の間で密かな話題となっている。 ひなこ様 と呼ばれるカリスマ女子が恋愛縁結び縁切りなどの占いやアドバイスを安価で請け負ってくれ、しかもよく当たると評判。 通常はそんな占い師モドキの恋愛アドバイザーで暇を潰している彼女だったが実は生霊関係のスペシャリストであり、特別な技法で祓ってくれる術師としての顔をもっている。 生霊悪縁に特に強い事務所として業界でも有名であるが、その特別な「技法」のため完全紹介制なおかつ面接審査ありとなっており、依頼するための敷居は高い。 「生」は「性」であり、生きることに心を持たせるのが「性」である。ゆえに心を持つ人と人とのかかわりは「性」に集約される。 「穢れ」と呼び心を遠ざけてしまってなんの意味のある生なのか。 多くの場面で穢れとされ、目の敵とされるこの行為は、日奈子にとっては生命を心で満たし、禍を満たしてあるべき場所へ還す癒しの業なのである。 小難しく綺麗に表現してみたものの、日奈子にいわせれば「大体男女の間のモメ事なんて100割性欲から来てるんだからさ、生霊とか性欲満たしてやればイケんじゃね?って思ったんだよね。逃げ場なくしてウチを触媒にして射精すモン射精せば…結果想いを遂げれば障りもなくなるってもんですよ☆」という至極単純な話であり、イカせイカされその積み重ねこそが独自の術式を成立させるのである。 今回、話を持ってきた門倉の元カノは、商社の専務の娘で以前から日奈子を神様のごとく崇めてきた強火の信者()で、ことあるごとに相談に来ていたのだが、元カレが半泣きで良い霊能者を紹介してほしいというのでただならぬ事態を察し紹介に踏み切ったのである。 交際中、事後の所謂ピロートークで信頼してる霊能者がいると話したら鼻で笑われたのを未だに根に持っているのだが、そんなもの信じてないというスタンスだったくせに泣き入れて紹介を頼むなんてメシウマすぎるのと、なにより「ひなこ様」のすばらしさを布教するチャンスだと強火の信者らしいムーブで、こりゃあ断れないな…と日奈子を困惑させた。 元カノに連れられた門倉はひどくやつれていた。目の下のクマ、ガサガサの肌、それなのに上気したように赤く染まった肌。 2~3質問すると、日奈子は頷く。 「生霊が実体を持ち始めてる」 想いが強すぎて生霊と門倉の間で力が対流し、お互いの属性が入れ替わり兼ねない状態。 門倉は生命のエネルギーを全部吸われ、代わりに生霊のスッカスカの霊体エネルギー(生者にとって)をブチ込まれる。 その交換行為をセックスの代替として想いを遂げるつもりなのだろう。 そうなる前に、門倉自身の快楽と生霊の快楽をリンクさせて想いを遂げさせて還らせる。 この術式では平たく言うと「いっしょにイく」ことで、抱いた抱かれたの感覚で満たされて、本懐を遂げるのだ。 「えっ???じゃあ、ひなこ様と門倉がセックスを???」 目をもじゃもじゃにした元カノが素っ頓狂な声を上げる。 「しないよ。今回は門倉君に深くひっついてるから、彼の中で精とリンクさせて外に射精す」(大体この流れでヤっちゃったらキミが生霊飛ばしてきそうじゃん) 「門倉くんにはマスクかぶってもらうよ?外の情報を遮断してより深く潜ってもらう」 「潜るって…」 「結構やつれてるからさ、一回で済むようにしたいんだよね。何回も何回もだとキミの身がもたない」 「…プロにお任せします」 「おっ、よくこんなメイドコスプレ女をプロって認めたね」 「元カノがこんなに信頼してる人、初めて見たんですよね…あいつ他人に心開かないから…」 「…ふーん…そこまでいわれちゃあね、プロとして」 「はい、おねがいします」 かくして、生霊と日奈子の真剣一番勝負 次号、ヌくやヌかざるや ※作中のオカルト設定はあくまで創作内のものであり、霊・生霊・霊障の存在やスピリチュアルな世界を推奨するものではありません。 娯楽作品の表現の一つであり、実在する人名・団体とは一切関係がないものとご理解ください。 改めて、18歳未満の視聴は禁止です。成人の皆様の自己責任でお楽しみください☆

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