エピソードXX いつかふたりは殺される 3
Added 2023-11-04 06:41:02 +0000 UTC「負けるか!」 ソードで電磁棒を受け止めて腹に三発キラメイショットを撃ちながら、背後のバーロへーいを蹴り飛ばす。 レッドの背中に電磁棒が叩きつけられて、 「ぐあああッ!」 バランスを崩したところへ次々と殴りつけられ、 「ぐがッ! ぐはあッ!」 レッドが体をねじって吹っ飛んだ。そこをバーロ兵達が取り囲み、口から歯車カッターを無数に放ったのである。鋭利に尖った歯車の刃がキラメイスーツを斬りつけ、 「ぐうわああああああッ!」 やっと立ち上がったばかりのレッドが右へ左へ体を揺らしねじって激痛に悶える。そこへバーロ兵の顔がスライドすると、目の部分が真っ赤に光って、破壊光線を撃ち込んだのである。 「うわああああああッ!」 スーツから噴き出る火花で姿が見えなくなるほどに破壊光線を撃ち込まれたキラメイレッドが、悲鳴と共に爆発に巻き込まれて天井に叩きつけられた。 「がはッ!」 そしてコンクリートの床に落ちた瞬間、バーロ兵達がよってたかって電磁棒を突き出し、殴りつけたのである。 「ぎゅああああああッ!」 レッドが顎を蹴り上げられ、 「ぐはッ!」 体が宙に浮いたところへ電磁ネットを吐き出されて絡め取られ、電撃が流れ出すと、 「ぐわあああああああッ!」 そのショックで体を震わせながら床にへたり込む。それでもまだバーロ兵達は電磁棒や歯車カッター、破壊光線をレッドに打ち込み続けた。 「ぐわあああッ! うわあああああッ!」 工作機械の放つ高温、与えられる激痛。レッドの全身から噴き出る汗が、爆破して煤けていくスーツに染み込んでいく。 電磁ネットの隙間からなんとかキラメイショットの銃口を突き出して、よろめきながら立ち上がる。震える腕ではまともに狙いを定められないが、それでも何発かはバーロ兵に命中して、 「ぐあ!」 「うぎゃ!」 粉々に砕け散る。なんとかネットを剥ぎ取れたレッドは再びキラメイソードを振りかぶって、バーロ兵達に突っ込んでいった。 「食らえッ!」 レッドが体を一回転させてバーロ兵をなぎ倒す。そしてさらにキラメイショットを撃ってとどめを刺していった。着実にバーロ兵の固体が減っていくのだが、 「何の騒ぎだ⁉」 「どうした⁉」 工場の奥から次々、別のバーロ兵達が集まってきてしまう。レッドはバーロ兵達を撃ちながら、 「これじゃきりが無いぞ……!」 電磁棒を払いのけて、彼らと反対方向へ走り出した。 「逃げたぞ、追え追え!」 工場の廊下に躍り出たレッドは、曲がり角にある部屋に逃げ込んで、バーロ兵の大群をやり過ごす。足音が遠ざかっていくと、 「うぅっ……」 痛む右脚を撫でた。 「ここは……?」 部屋を見回すと、十字架が部屋の奥にあって、さっきの工場で見た器具が並べられて、床には乾いた血があちこちに飛び散っている。 「最悪な場所ってことか……」 ドアをそっと開けてのぞき見れば誰もいない。レッドはさっと飛び出すと、外へ繋がる出口を探してウロウロと歩き回った。 何個か角を曲がっているうちに、レッドは自分がどこにいるのか分からなくなってしまった。行けども行けども窓のない廊下に入り込んでしまっては、方角さえ掴みようがない。 時折足を止めて、深手を負ったところを撫でながら、キラメイビジョンで遠くを観察するのだが、バーロ兵の姿はどこにも見えない。 するとどこかの部屋からかすかなうめき声が聞こえ、 「…子供…か……?」 すぐにさっきの拷問部屋が頭をよぎる。 「まさか、あいつらに捕まった子供が……⁉」 急いで声のする方へ向かいドアを開けると、灰色のTシャツと短パンをはいた、十歳ぐらいの男の子が、かすかな声で、 「助けて……」 と呻きレッドに手を伸ばした。 「大丈夫⁉」 すぐさま駆け寄って抱き起こす。頬は痩せこけ、顔や腕、足はアザだらけである。頭を撫でてやるのだが、すぐ指先がこぶにあたって、男の子が顔をしかめた。 「ご、ごめん!」 「お兄さん、助けに来たの……?」 「そう…だよ。一緒に出よう」 言い切れないのが歯がゆいところだが、この際仕方が無い。男の子を抱きかかえて立ち上がる。やけに重いな……。 つづく